はるか昔、海人(かいと)と地人(ちびと)が存在した。
海底人は水中でも地上でも暮らすことのできる発達した超人類だった。
だが地人は地の上しか生活しかできない上にとても欲の深い種族だった。
そのような違いもあり、互いに交流のあった両者に地人によってひずみが走り、
やがて海人は海の中に国を作り最後には戦争となった。
しかし、地人は海の中の進軍もできず海人も地上戦では全く地人に歯が立たず
互いに均衡が崩れず戦争は数十年と長く続いた。
無駄な戦いと悟った両者は停戦の証として互いの王の娘と息子を幼きながらも人質として預けられた。
地人は七歳になる娘を、海人は九歳になる息子を手放す。
二人の人質交換の方法は海底での人質自ら歩いていくというもっとも危険なものだった。
何かを裏切れば後ろにいる軍隊が動き出す。
その緊迫した空気の中二人の小さな足は動かないのに進まなくてはならない。
少年はふるえていた。
少女は止めることのできないあつい水と格闘するだけだった。
二人がすれ違おうとしたとき、少年は少女に言葉を投げかける。
「戦争だからってこんな事はあってはいけない、
大人になったら必ず助けにいくからそれまで待ってて・・・」と。
そして少年は少女の小さな体を抱きしめる。
撃鉄を打つ音が響き渡る。 少年はごめんと言い残して去る。
そして二人の足は動き出す。
少女は迷いのない顔で、
少年は決意を秘めた表情で、
そして再び平和が訪れた、
二人の少年少女をのぞいて。
十年後
少女は名をリルアといい17となった彼女はとても美しかった。
海底での生活に慣れたリルアは海人の中でも有名な美女だったが男を寄せ付けることはない。
なぜなら頭の中ではいつでもあの少年を想っていた。
だが想いむなしく海人の王はリルアに溺愛し、
彼女が地上にもどりたいというたびに牢に閉じこめた。
その状況を知った占い師のヤードゥラは人質に出した息子スルをさらい,
リルアの目の前で殺さぬ限り王の愛は通らぬといい、
スルにも大きな災いがあるという。
そして殺した後には人質のそうしつを理由に戦争を仕掛けるが世界の王なる道という。
それを聞いた王はすぐさま決意し、
戦前地上で暮らしていたカムゥを使いとして送る。
少年は名をスルといい苦しい生活を送っていた。
牢のごとくの部屋を割り当てられ、王の身の回りの世話をさせられた。
町に出ればさけずまれ、少年に居所はなかった。
それでもリルアを助けるということを糧として日々生きていた。
その状況のなかどうやって助けだうそかと考えながら町をふらふらしているところにカムゥとあう。
カムゥが命じられた事柄はスルを助け出すと言うことだけなので
邪心のないカムゥの言葉を信じて地人の国を抜け出す。
そしてそのまま海の底へと二人で進む。
たまたまヤードゥラと王の話を聞いていた門番のクラは
カムゥの消えた少しの間にスルにすべてを話す。
クラは戦争を起こしたくなかった。
そしてこの国の王子を、今目の前にいる少年を失いたくなかった。
だがスルは話を聞いてもあきらめなかった。
その後、王室にまぬかれ食事を出されるがまったく手をつけなかった。
王は毒の入っている食べ物に手をつけないスルに怒り、そのまま牢に閉じこめる。
だがそれはすべて演技だった。
さすがに実の息子に手をかけるのをためらった王はそのまま地人を支配するまで閉じこめておこうとする。
しかしヤードゥラはそれを許さなかった。
そのままスルを殺そうとする。
そこに門番のクラがそれを止めスルと協力するという。
争いはいけないと・・・
リルアを助けにいこうとしたとき悲劇は起こった。
地人がスルについていた発信器を頼りに海上から攻撃を仕掛けてくる。
すべては計画通りだった。
地人との間者だったヤードゥラの。
地人からの攻撃はとても激しいもので海人に反撃をすることはできなかった。
生き残る方法はただ一つ、海底の都を自爆させそのまま逃げることだけだった。
だがそこには一人のこり起爆のスイッチを入れなければならない。
やっと再会できた二人が選択した道は一つだった。
両者の戦いをとめる二つの異質な存在。
海中で暮らした地人と地上で育った海人、
ピリオードをうつのは二人にゆだねられた。
その海底での大爆発により総力を挙げた地人の軍は壊滅し、
海中に大きな溝を生み出した。
今でも争いを好まない海人はその深い溝深くに住んでいるという。
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